第1回期日のご報告
- 2012年06月16日 08:15
6月15日,「原発なくそう!九州玄海訴訟」の第1回期日が行われました。
当日はあいにくの雨模様でしたが,裁判所には北部九州を中心に九州各県,そして遠くは埼玉県から原告が集まり,その人数は400名を超えました。
裁判所に向かう原告団。原告団の列がずっと続いています。
裁判所も,このような大人数の原告に対応するため,佐賀地裁の職員以外にも協力を要請し,裁判所のあちこちに警備のために職員を配置していました。そのため裁判所の雰囲気はとてもピリピリとしたものでした。
裁判所構内にて約370名の原告が20席の一般傍聴券を手にするため抽選をしました。運よく傍聴券を手にした原告は,所持品検査を受けたうえで法廷に入りました。残念ながら抽選に外れた原告は裁判所近くのエスプラッツに移動し,弁護団による模擬裁判を傍聴していただきました。
模擬裁判のようす。
法廷の中の様子は,被告席には九州電力の代理人弁護士7名,国の指定代理人13名が座っており,原告代理人席には20名の弁護団が座り,傍聴席は当然ほぼ埋まっている状態でした。
そして,14時から予定通り法廷は始まりました。
裁判長は入ってきたときから顔がこわばっており,とても緊張している印象をうけました。
それだけこの期日をなんとか無事にやり遂げなければならないというプレッシャーがあったのだと思います。
原告弁護団からは訴状の陳述,被告九電・国からは答弁書を陳述しました。
さらに弁護団から,九電・国の答弁書に対して詳しい説明を求める求釈明を行いました。
被告九州電力に対しては,原告側が訴状で述べた福島の被害について何ら認否(事実や主張を認めるか認めないかを示すこと)をしていないことを指摘し,被告九州電力が福島の被害をどのようにとらえているのか説明を求めるなどしました。
被告国に対しては,訴えの却下(訴訟の要件をみたさないといういわゆる門前払いの主張)を求めている点について説明を求めました。
その後原告の意見や思いを述べる意見陳述があり,長谷川原告団団長,原告2名,原告代理人弁護士1名が意見陳述しました。
どの意見陳述も思いが強くこめられており,特に子どもや故郷を思いながら語る部分は心動かされるものでした。
最後に次回期日を9月21日に行うことを決め(8月31日の予定から変更)終了しました。裁判は粛々と進み,特に大きな問題はなく終了したという印象です。
期日が終了した後は傍聴した原告と弁護団はエスプラッツに移動し,抽選でもれてしまった原告団と合流し,裁判の報告集会を行いました。
報告集会では,参加・傍聴できなかった原告の方たちに裁判の様子を報告し,今後の取り組みについて話がありました。
質疑応答,最後に原告団の組織化についての提案があり,報告集会は終了しました。
今回,裁判所は,原告が多数押し寄せることに対して過剰な反応・対応をしていましたが,そのような裁判所の態度を和らげるのは原告の力だと思います。
今後も期日が続いていきますが,原告が裁判に参加する権利を有していることを主張し続け,さらに今回のように,毎回の期日に多数の原告が来ても訴訟をスムーズに進めていけることを示すことができれば,裁判所の態度も変わってくるのではないかと思います。
そして裁判官が正当な判断ができるよう、私たちの声を届けていきましょう。
次回期日は9月21日(金)14時~佐賀地方裁判所です。
次回もぜひ裁判所にお越しください!
よろしくお願いします。