原発なくそう!九州玄海訴訟

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高浜原発運転差止仮処分決定についての声明

  • 2015年04月15日 10:55

高浜原発運転差止仮処分決定についての声明
             
                       2015年4月14日
           「原発なくそう!九州玄海訴訟」原告団・弁護団

本日、福井地裁は、高浜原子力発電所3・4号機の運転差止仮処分申立てにおいて、同発電所3・4号機の運転差止めの仮処分命令を発令した。この命令は、昨年5月21日の大飯原発福井訴訟の地裁判決で運転差止めが命じられたのに続き、原発運転差止めを命じる2つ目の司法判決であり、再稼働できなくなったという意味で、その意義は大きい。

同地裁は、以下のように理由として述べた。
① 基準地震動は原発に到来することが想定できる最大の地震動であるにもかかわらず20か所にも満たない原発のうち4つの原発に5回にわたり想定した地震動を超える地震が平成17年以降10年足らずの間に到来しているという事実を重視すべきであり、本件原発の地震想定だけが信頼に値するという根拠は見いだせない。入倉教授レシピにいう、地震の平均像を基礎として考慮することの原発に基準地震動を策定することの合理性は見出しがたく、理論面でも信頼性を失っている。基準地震動を超える地震が到来すれば施設が破損する恐れがあり、収束を図るには多くの困難があり、炉心溶融に至る危険が認められる。

② 基準地震動の700ガル未満の地震においても外部電源が断たれ、主給水ポンプが破損し主給水が断たれるおそれがあることは関西電力も認めているから、その程度の地震によっても冷却機能喪失による炉心損傷に至る危険が認められる。

③ 使用済み核燃料はわが国の存続にかかわるほどの被害を及ぼす可能性があるのに、格納容器のような堅牢な施設によって閉じ込められていない。その考えは楽観的な見通しのもとに成り立ってにすぎないし、その給水設備の耐震性もBクラスである。

④ 原子力規制委員会が制定した新規制基準はいずれの点も規制の対象にしていない。免震重要棟については猶予期間が設けられているのは合理性がない。

新規制基準に求められるべき合理性の趣旨は、万が一にも深刻な災害が起こらないようにすることであり、厳格な内容を備えていなければならないと解すべき。しかるに、新規制基準は緩やかな基準にすぎ、本件原発の安全性は確保されておらず、合理性を欠く。

そうである以上債権者らが人格権を侵害される具体的危険性が認められる。

本日の決定は、地震動等の想定が楽観過ぎる見通しのもとに成り立っていること等々の問題点をいくつも列挙し、新規制基準に合理性がないことまで認定した画期的決定である。これは、私たち玄海訴訟の原告らの主張と基本的に軌を一にしている。

この決定から言えば、国の規準に適合しているから原発は安全だという電力会社等の主張は根本的に誤っていることになる。さらに、再稼働の審査に用いられている新規制規準も楽観的見通しのもとに作られているものなので、安全性を確保する規準ではないこともより一層明確になった。

そこで、私たち訴訟の原告団・弁護団は、以下のことを要求する。

                記

1 本仮処分の債務者関西電力は、本日の仮処分命令を受け入れ、不服申立てをしないことを要求する。
2 原子力規制委員会は、全国の原発の新規制基準適合性の審査を中止するよう要求する。
3 九州電力はじめ全国の電力会社は、すべての原発の再稼働をしないよう要求する。

以上、声明する。

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