原発なくそう!九州玄海訴訟

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386名で8回目の追加提訴、原告総数7100名を突破!

  • 2013年11月21日 16:21

「原発なくそう!九州玄海訴訟」第8次提訴声明

私たちは、本日、386名の原告をもって、国と九州電力を被告とし、玄海原発の全ての稼働差止等を求める第8次訴訟を佐賀地方裁判所に提起した。第1次から第7次原告と合わせて、7137名の原告を擁する歴史上最多数の原発訴訟である。本日の提訴では隣国の韓国からも原告が参加した。これは、何ら被害の回復が図られないにもかかわらず再稼働へと突き進む我が国に対して国際的な懸念が生じており、脱原発の意思が世界に広がっていることの証左である。

福島第一原発事故から2年8か月が経過しても、国や東電は事故をいまだ収束させることができていない。そればかりか、汚染水による重大な環境汚染を放置し、帰還時の被ばく放射線量基準を緩めて放射能の危険性を隠蔽しようとするなど、事故による被害を拡大させ続けている。福島県に限ってもいまだ15万人もが避難生活を続けており、生活を根こそぎ奪われた人々の生活の再建も汚染の除去も進んでいない。

原発事故による甚大な被害を経験した国民にとって、原発の安全性に関わる問題や住民の安全に関する情報が公開されていることが何よりも重要である。

にもかかわらず、安倍自民党政権は、2013年10月25日、「特定秘密の保護に関する法律案」(特定秘密保護法案)を国会に提出し、同法案は、現在、衆議院にて審議されている。

そもそも、国や電力会社は、原発の安全性に関わる問題や住民の安全に関する情報を徹底的に隠蔽することによって、甚大な被害を生じさせてきた。福島第一原発事故においても、放射性物質の拡散予測システムSPEEDIの情報が適切に公開されなかったため、一部の浪江町民がより放射線量の高い地域に避難したことが事後に明らかになった。

特定秘密保護法によって、原発に関する情報が、核不拡散や核施設に対するテロ活動防止の観点から「特定秘密」に指定されれば、原発の安全性に関わる問題や住民の安全に関する情報は闇の中となり、再び福島第一原発事故と同様の被害をひき起こしかねない。

このような安倍自民党政権の動きに警鐘を鳴らすべく、被害自治体である福島県の県議会は、2013年10月9日、次のような内容を含む意見書を全会一致で採択している。

「今、重要なのは徹底した情報公開を推進することであり、刑罰による秘密保護と情報統制ではない。「特定秘密」の対象が広がることによって、主権者たる国民の知る権利を担保する内部告発や取材活動を委縮させる可能性を内包している本法案は、情報掩蔽を助長し、ファシズムにつながるおそれがある。もし制定されれば、民主主義を根底から覆す瑕疵ある議決となることは明白である。」

まさに、被害自治体だからこそ語りうる、二度と同様の被害を繰り返してはならないという強い思いから発せられた言葉である。
原発の加害構造の特徴の一つとして、国による徹底的な情報の隠蔽という点を指摘してきた私たちは、上記意見書に深く共感するものである。

安倍自民党政権による特定秘密保護法案の成立に向けた一連の動きは、そのような情報の隠蔽をより強力に推し進めようとするものであって、断じて許すことはできない。私たちは、こうした動きに対し、厳重に抗議するとともに同法案の廃案を強く求めるものである。

私たちは、今後も本訴訟において徹底的に原発をめぐる被害の実相と加害の構造を明らかにしていく。さらに第9次以降の提訴を行いつつ、国民世論の圧倒的な支持のもと、まずは国と九州電力に玄海原発全ての稼働差止、その先に廃炉を求め、さらに我が国の他の原発の稼働差止とその先の廃炉を求める。

上記のとおり声明する。

2013年11月21日 「原発なくそう!九州玄海訴訟」原告団・弁護団

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