原発なくそう!九州玄海訴訟

ニュース

7.8 九電再稼働申請に抗議の記者会見

  • 2013年07月10日 14:14

7月8日、「原発なくそう!九州玄海訴訟」団は九州電力の川内原発再稼働申請に抗議し、玄海原発の再稼働申請を行わないよう求める声明を発表、記者会見を行いました。原告弁護団から19人が参加、10社ほどのマスコミが取材にきました。

川内原発の再稼働申請に抗議し、玄海原発の再稼働申請をしないことを求める声明
               
                 「原発なくそう!九州玄海訴訟」原告団
                    原 告 団 長   長谷川  照
                 「原発なくそう!九州玄海訴訟」弁護団
                    共 同 代 表   板 井  優

1 九州電力株式会社は、本日、川内原発1,2号機が原子力規制委員会の定めた原発再稼働のための新規制基準に適合していることの審査を求める再稼働許可申請をおこない、また、今週12日には玄海原発3、4号機の再稼働申請を行うことを発表している。

未曾有の大惨事を生んだ福島第一原発事故の被害回復どころか事故原因の解明すらなされていない。また、原子炉から放射能の漏えいを止めることが出来ない深刻な状況にある。事故が未だに継続し被害を与え続けている最中に、電力会社の利益追求あるいは原発輸出のためといった経済的・政策的理由による今回の再稼働申請やその発表に対し、多くの市民は疑問と怒りの声を上げている。

現在、佐賀地方裁判所において玄海原発の稼働差し止めの裁判を進めている我々「原発なくそう!九州玄海訴訟」原告団・弁護団も、我々の生命・健康といった人格的利益を軽視する今回の再稼働申請及びその発表に対し、強く抗議するものである。

2 ところで、今回の再稼働申請は、原子力規制委員会の定める新規制基準に適合していることの審査を受けて原発再稼働を進めようとするものである。

しかし、いかに厳しい基準を設けようと、原発事故の可能性がゼロとなるわけではなく、原発事故の被害の甚大さ・深刻さに鑑みれば、どれだけ厳しい基準を満たしたとしても原発の稼働が正当化されることなどありえないというべきである。 

さらに、今回施行された新規制基準は、そのような「厳しい基準」とも到底呼べない代物であり、これに適合したからといって原発の安全性は全く担保されないというべきである。

原子力規制委員会によれば、新基準は、福島第一原発事故の教訓を踏まえ、かかる大事故を二度と起こさないことを目的として策定されたものであるという。

これを文字通り理解すれば、旧基準に適合していたはずの福島第一原発があれほどの大事故を起こしたことの原因分析を踏まえた、指針類全体の慎重な見直し作業を行うことは最低限必要なはずである。また、国会事故調報告書が指摘するとおり、規制庁が「規制の虜」となり、原発稼働に差し支えない範囲での規制策定しかできていなかったという従来の規制当局の体制に対する反省も必要であろう。国会事故調報告書が指摘するように「原子力法規制は、その目的、法体系を含めた法規制全般について、抜本的に見直す必要がある」ことが当然に求められるはずなのである。

ところが、新規制基準の策定は、従来と変わらず原発推進勢力中心・国民不在のままに行われた。

そして、その新基準の内容も、現存する原発の早期再稼働を妨げない程度の規制を施したものにすぎず、なんら安全性を担保するものとなっていないのである。

すなわち、可搬設備の多用など、早期の対応が可能な対策についてはこれを要求しているものの、特定安全施設の建設など一定時間のかかる対策については5年の猶予期間を設け、サイトによっては再稼働を大きく制限する要因となりうる立地審査指針の見直しについては新基準に含めてもいない。

そもそも、福島第一原発事故の原因解明は、事故の全容解明どころか、全電源喪失が地震動によるものか津波によるものかという核心部分すら明らかになっていないという状況であり、福島第一原発事故の教訓を生かした基準の策定などできるはずもないのである。
 
3 このような新基準をもって原発再稼働を容認しようという姿勢に現れているとおり、およそ国は、福島第一原発事故を経た現在においてもなお、原発を巡る種々の利権を国民の安全に優先させようとの態度を変えていない。

かかる国と歩調を合わせ、国民の安全よりも自社の利益を優先しようとする九州電力株式会社の今回の川内原発の再稼働申請に対し、私たちは強く抗議して撤回を要求し、12日に予定している玄海原発の再稼働申請をしないよう求めるものである。                          以上

ページ移動

連絡先

佐賀中央法律事務所
〒840-0825
佐賀県佐賀市中央本町1-10ニュー寺元ビル3階
TEL 0952-25-3121 / FAX 0952-25-3123

弁護士法人奔流法律事務所朝倉オフィス
〒838-0068
福岡県朝倉市甘木1193-1
TEL 0946-23-9933 / FAX 0946-21-5100

Copyright (C) 2011 原発なくそう!九州玄海訴訟 ALL RIGHTS RESERVED. ログイン