原発なくそう!九州玄海訴訟

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3月20日仮処分不当決定に対する弁護団声明

  • 2018年03月21日 13:39

玄海原発3・4号機再稼働差止仮処分不当決定についての声明

 

本日、佐賀地方裁判所(立川毅裁判長)は、九州電力玄海原子力発電所34号機の運転差し止め仮処分申請を却下した。

本決定の最大の欠陥は、福島第一原発事故を全く直視していない点である。2011311日の福島第一原発事故から7年が経過したが、その被害は収束するどころか、いまなお深刻さを増しており、福島第一原発事故における具体的な設備の損傷状況はいまだに完全には解明されていない。

ところが、本決定は、福島第一原発事故を引き起こした原因が「専門家」を含む原子力ムラが作り出した「原発安全神話」にあったことを直視せずに再稼働のために策定された新規制基準に合理性を認め、九州電力の主張を鵜呑みにして再稼働を容認した。

福島第一原発事故は、一民間企業に過ぎない東京電力が、原子力発電という極めて危険な科学技術を用いているにもかかわらず、安全対策をおろそかにして、営利事業を行ってきた末に、極めて広範囲にわたる国土や自然環境、長い歴史の中で形成されてきた地域社会を半永久的かつ壊滅的に破壊するに至った、まさに史上最大最悪の産業公害事件であった。

福島第一原発事故を経験した我が国の社会が、ありとあらゆる立場の違いを越えて形成し得た唯一の社会的合意は、もう二度と、そしてもう絶対にフクシマの被害を繰り返してはならないということであった。いまや国民の節電意識の向上や再生可能エネルギーの普及によって原発による電力供給がなくともわが国の電力供給には何ら支障がないことも明らかになり、多くの国民が原発の廃炉を希望している。

裁判所による司法審査も、そのような福島第一原発事故後の厳然たる社会的合意に立脚してなされなければならないのであって、本決定のように原発事故がもたらす、国家の存立そのものを脅かす未曾有の被害を直視することなく、福島第一原発事故以前の司法審査がそうであったように「新規制基準は世界で最も厳しい安全基準である」などという新たな原子力安全神話を追認するような判断は断じて受け容れることはできない。

我々は、本日の不当決定に対し、即時抗告を申し立てるものである。

 

2018320

原発なくそう!九州玄海訴訟原告団・弁護団

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